帰化申請

ご年配の方の帰化申請(帰化ブログ抜粋記事)

帰化申請を専門とする東京の行政書士の佐久間です。


今日は、ご年配の方の帰化申請についてお話します。


ご年配の方の帰化申請には、若い方の帰化申請と異なり、「人生の集大成」

的な意味があって身が引き締まる思いがすることがままあります。


「今回の帰化申請が最後のチャンスだと思っています」

「人生で最後にやり残したことが帰化申請です」

「私は、日本人として死にたいのです」


そのようにお話をされる方が多くいらっしゃいます。お受けする私には

プレッシャーなのですが(笑)、それがご年配の方の帰化申請です。


帰化申請専門の行政書士として多くのお客様の帰化申請をサポートさせて

いただいていますが、つくづく感じることは、簡単な帰化申請は、ひとつ

もない、ということです。


例えば、学生さんの帰化申請の場合、これまで生きてきた年数が少ないの

で、その分、法律違反を犯している可能性も少ないし、自分の過去を思い

出せないなどということもありません。その点では、ご年配の帰化申請よ

りも、圧倒的に簡単と言えましょう。


しかし、学生さんの帰化申請の場合には、まだご自身の社会経験が不足し

いるため、どのように手続きを前に進めていけばよいのか分からない方が

多くいらっしゃいます。また、法務局の担当者とのやり取りが、何か就職

の際の面接の様に、よく知らない大人との会話であることから、不必要な

緊張を強いられることもあります。


ご年配の帰化申請の場合には、このような心配はまずありません。ご自分

の子供や、場合によっては孫のような年齢の法務局の担当者なのですから、

緊張するということはあまりないのです。


ご年配の帰化申請で大変なところは、人生のご経験が豊富なだけに、ご自

身のこれまでの生きざますべてを、帰化申請に際して書面化しなければな

らない点です。


学生さんであれば、多くて、3・4回の転居歴であるところが、ご年配の

方になると、数え切れないほどの転居歴があっても不思議ではありません。


自営業などをされている場合には、ご商売がうまくいっている時期もあれ

ば、そうでなかったときもあるのが通常で、ではその時に副業としてやっ

ていたアルバイト先の名称は?と聞かれれば「・・・」となってしまうの

が普通です。これまで経営されたビジネスの履歴を、もう思い出せなくな

ってしまっている方もまれにおられます。


以前、帰化申請をサポートさせていただいた方は、もう、ご自分の通った

学校の名前も正確には思い出せなくなっていました。

別の方は、離婚歴のある方でしたが、お相手の名前は思い出せるものの、

お相手の細かいディテールについては忘却のかなた。そのお相手が生きて

いらっしゃれば確認もとれる可能性がありますが、その方のお相手はもう

死去されていたので、本当に苦労した、という経験もあります。


長く生きていらっしゃると、もう思い出したくないな、という辛いご経験

もいくつかあると思いますが、帰化申請の過程で、それらを思い出すこと

になってしまうかもしれません。


これまで、色々な理由で帰化申請ができなかったけれども、一念発起して

帰化申請をすることにしました。どうぞよろしくお願いします、とのご依

頼をこれまでに数多くお受けして来ました。そして、無事に帰化できたと

きには、とてもしみじみとした、深い感慨に包まれるのが、ご年配の方の

帰化申請です。


ご自身のケースについてご相談・ご依頼をお考えの方は、是非一度、弊事

務所までお越し下さい。


■この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。執筆サイト:配偶者ビザほか多数。